ゲームが1ミリもおもしろくない
個人でゲームを制作しているムチと申します。
突然ですが、
「作ったゲームがクソつまらん」
ってことないですか?
ぼくはあります。この前なりました。
「おかしい。構成の時点では最高のゲームだったのに…」
後から考えると、なんとなくで作っておもしろくなったら天才です。
どうにかしてゲームをおもしろくしたい!
と思い、「ついやってしまう」体験のつくりかたという本を参考にゲームを改良しました。
その結果、アカウント数ベースですが
200アカウント以上のプレイヤーに遊んで貰えたので
本書から学んだゲームをおもしろくするための3つの秘訣を解説します。
目次
おもしろい!に必要な要素とは?
最初に質問です。
おもしろい!と感じさせるのに必要なことって何でしょう?
本書では、
「ついやってしまう」こと
だと説かれています。
ついゲームをやり続けてしまって、ある程度やっているうちに おもしろい! となる。
ぼくも中学生のころは寝落ちするまでモンハンをやり続けていました。
眠いのについやってしまっていたのです。
そして、ゲームをやり続けてもらうために必要なのは
プレイヤーの心を動かす ことです。
ではどうすれば心を動かすことができるのでしょうか?
ポイント1: わかりやすい
本書で述べられているポイントのうち、ぼくは わかりやすいこと が最も重要だと思っています。
本書では 「直感のデザイン」 として、「スーパーマリオブラザーズ」を例に説明されています。
さて、スーパーマリオは何をしたら「勝ち」でしょうか?
敵を倒す?クッパを倒す?ピーチを助ける?
残念ながら不正解です。 正解は、
右に行く です。
最初から最後まで一貫して右にいくことがゲームのクリアに必要な絶対的なルールとして設定されています。 (クッパの倒し方はどうでした?)
ただし、これがルールとして説明されることはありません。
プレイヤーは自ら学び、右に行けば勝ちだと直感的に理解するのです。
左端に立って、右を向くマリオ、左奥は山があり、右側はひらけている。
上の画像のような状態からゲームが始まり、プレイヤーは
「右に行けばいいのか?」
と仮説を立てます。
そうして右に向かってみるとクリボーが出現。
右に行くのは正しいよとゲームが答えてくれるのです。
この直感のデザインをまとめると次のようになります。
仮説→試行→歓喜
プレイヤーは仮説→試行の段階では、正解かわからず、不安な状態です。
そして、ゲームからのフィードバックで、正解だと確信し歓喜する。
わかりやすい とは、プレイヤー自ら仮説にたどり着いてもらえることです。
説明がたくさん出てきて、その通りに操作すればクリアできるゲーム
ルールが複雑すぎてどうすればいいかわからないゲーム
これらは残念ながら、直感のデザインができているとは言えません。
ヒントを散りばめて、プレイヤーが直感的に「わかる」ように設計する必要があります。
ポイント2: びっくりさせる
直感のデザインでわかりやすいゲームができました。
ただ、わかりやすいだけでは
飽きます。
脳は予想通りが続くと一気に飽きが来てしまいます。
そこで、脳をびっくりさせる予想外のことを起こしましょう。
本書では、「驚きのデザイン」 についてドラクエの「ぱふぱふ」を例に説明されています。
このブログでは、ぼくなりにスーパーマリオを例に説明してみます。
(ドラクエほとんどやったことないので…)
右に行くことがわかり、クリボーに出会ったプレイヤーは敵だなと直感的に理解します。
もしくは、そのまま当たってやられてしまうかもしれません。
マリオにできるのは移動とジャンプのみ。
「どうやって倒すんだ?踏んでみる?」
と、ここでも仮説→試行→歓喜のプロセスを経て、敵は踏めば倒せることを学びます。
しかし、次に登場するノコノコは踏んでも倒せません。
甲羅の中に入って、再度踏むことでぶっ飛ばせるようになるのです。
「踏めば倒せる」がルールだと思い込んでいたぼくらは、予想を裏切られます。
この先には、崖に向かって飛ばすと戻ってくる赤のノコノコや、踏むとダメージを受けてしまうトゲのある敵も出現します。
予想を外して脳をリセットさせ、飽きさせないようにする。
驚きのデザインをまとめると次のようになります。
誤解→試行→驚愕
びっくりさせる とは、プレイヤーに誤解させ、その思い込みを覆すことです。
直感のデザインと驚きのデザインを織り交ぜてゲームを構成することで、飽きさせることなくゲームをやり続けてもらうことができます。
ポイント3: プレイヤーを成長させる
直感的にわかるゲームで、ついやってしまう状態をつくり、驚きで飽きさせない。
最後に必要な要素が、
ゲームをしているプレイヤー自身を成長させる ことです。
ゲーム内のキャラクターが育つという意味ではありません。
現実世界のプレイヤー自身を成長させるのです。
これが、「物語のデザイン」 です。
本書では、ラストオブアスや風ノ旅ビトといった具体例で説明されていましたが、
今回もスーパーマリオで説明しようと思います。
(このゲームに至っては一度もやったことないので…)
クリボーを倒し、ノコノコをうまく使い、コンティニューを繰り返しながらやっと1面クリア!
次のステージに進みます。
でも、2面って結構難しいんですよね。
はじめてマリオをやったのは6歳の頃でしたが、全然クリアできなかった記憶があります。
落ちる箇所が増えてて、とくに最後の方のジャンプで超えないといけない箇所が難しい…
残念ながら、ゲームオーバー。
最初のステージからやり直しです。
すると、どうでしょう。
やっとの思いでクリアした1面が、サクッとクリアできるようになっているではありませんか!
これは、プレイヤー自身が成長したからです。
プレイヤーを成長させる とは、ゲームを通して現実世界のプレイヤー自身に物語を語ってもらうことです。
難しいステージをクリアしたら、自慢したくなりますよね。
家族でぼくだけが2面をクリアできたとき、ぼくはみんなのヒーローでした。
さいごに
今回、ゲームデザインという視点で執筆してみました。 ポイントは以下の3つです。
-
直感的にわかりやすいゲームにする
-
プレイヤーをびっくりさせて、飽きをリセットする
-
ゲームを通してプレイヤー自身を成長させる
この要素をゲームの中に入れることで
明らかにおもしろくなりました。
ということで、「ついやってしまう」体験のつくりかたオススメです!
書籍自体も「つい読んでしまう」構成になっていて一気に読んでしまいました。
タイトルの通り「体験」のつくりかたなので、ゲーム以外でも活用できる考え方になっています。
たとえば映画や本なども、直感から入り、驚きで飽きさせず、ユーザー自身の成長に繋げることできっと満足してもらえるはずです。
あ、ぼくのゲーム「でんぷち!」も無料でプレイできるのでぜひ!
もちろん説明書はありません。